過去ログ - 涙目で熱い吐息を漏らす姉が弟に抱かれる話
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78: ◆LRJytAPfz.[saga]
2015/08/10(月) 21:48:06.19 ID:jEUBPymZO

翌日、午後になって父ちゃんは診療所に着いた。

僕は引っ叩かれる覚悟もしていたけど、父ちゃんは言葉少なに近づき僕を強く抱き締めた。


「すまん」


絞り出すように言った詫びる言葉は、きっと『それでも結果は変わらない』事に対してだったんだと思う。


姉ちゃんの熱は朝にはかなり下がっていた。

だけど帰りの車の中、僕らはほとんど言葉を交わす事は無かった。

婆ちゃんに会う事もなく引き返す田舎道、額に汗を伝わせながら二人で歩いた景色はその時とは比べ物にならない速さで後ろに消えていった。

ただひとつ、高い空から僕らを見下ろす入道雲だけがずっとついてきているようだった。

きっとあの雲にとっては僕らの旅した距離など僅かなものなのだろう。


本当に離ればなれになったのは、それから数日後の事だった。

でも僕らが他人になったのはきっとこの帰り道での事だと思った。


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