過去ログ - 旅人「モンスター娘に殺される話」
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17:名無しNIPPER[saga]
2015/08/04(火) 18:34:00.82 ID:Qo4PdzSj0
旅人の怪物談義は続いた。
複数の獣が合成されたような怪物。冥府から蘇りし不死者。
人から獣、あるいは獣から人となった半獣人。
そのどれもが、悲劇にしろ、喜劇にしろ、色恋の絡んだものであったが。
「そこの荷馬車、停止せよ」
声が呼び止めたのは、ちょうど、ユニコーンの雄が交尾した相手を殺すか否か、という話の佳境。
「荷物をあらためさせてもらう」
検問。気付けば、もう道のりを半分進んでいた。
旅人は、荷台の板壁をコンコン、とやり
「よろしく」
と気だるげに。
馬車が止まる。
鈍い音が、一つ。二つ。三つ。
馬車が動き出す。
止める声はない。青年が戸惑いながら荷台から顔を覗かせると、通り過ぎる道端には役人らしき者と、兵士が二人、横たわっていた。
「そういや、腹減ってきたな」
旅人はふと思い立ったように
青年に手を差し出す。
「出せよ」
「は……?」
間抜けな声が出た。旅人は構わず言う。
「食料、水。それから金目のもん。だな。ほら出せ」
「なにを」
「言っただろう」
旅人は、目を細める。
「野盗には気をつけろってな」
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