過去ログ - 【シュタゲSS】ラボに帰ると紅莉栖が真っ赤だった
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◆3go5SqN4Y.
2015/08/09(日) 20:23:44.70 ID:rEo99NxO0
紅莉栖「ねえ、岡部、覚えてる……?」
岡部「一体なにをだ?」
紅莉栖「ここで……私があんたのファーストキスを奪ったこと」
少し恥ずかしそうに、紅莉栖が言った。そうか、そのときだ。紅莉栖にとっては最近のことだろうが、俺にとっては随分昔のことだ。
しかし確かに昔、ちょうどまゆりが塞ぎ込んでいた時、ちょうどこの場所で隣に座っていた女性にキスをされたのだ。そう、タイムマシンに乗ってきていた紅莉栖に。
岡部「ああ、覚えているぞ」
紅莉栖「私ね……ずっと辛かった。私のライバルは、いつだって違う世界線の私だったから……そんなの、戦いようがないよね」
何も言えずに黙っていると、紅莉栖は言葉を紡いだ。
紅莉栖「でもね、もう大丈夫だから。あんたがこの世界線だけが唯一の世界線だって分かってくれたから……私は、ここにしかいないって」
岡部「ああ、分かっている。俺が好きなのは、この世界線の牧瀬紅莉栖、お前だけだ」
紅莉栖「うん、ありがと。だから、大丈夫だから」
そう言って、紅莉栖は笑った。少し涙が零れそうになっているが、俺はあえて何も言わなかった。優しい笑顔を見て、かわいいと思った。
岡部「そうだ、紅莉栖……」
そう言いながら、俺はポケットに右手を突っ込んだ。紅莉栖は一体なんだとこちらを見る。
岡部「……ほら、プレゼントだ。まだ、渡せていなかったからな」
紅莉栖「あ、マイフォークね」
岡部「な、なぜ知ってるのだッ……いや、正解なんですけど……」
紅莉栖「タイムリープする前に、あんたに渡されたからよ」
岡部「クッ、これでは驚きが半減してしまうではないか! ハッ、まさかタイムリープする前の俺は機関のエージェントで……」
紅莉栖「はいはい、厨二に逃げない。でも、嬉しいのは本当よ。ありがとね、倫太郎」
そして、またそんな風に笑う。俺は紅莉栖の笑顔に弱い。
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