5:名無しNIPPER[saga]
2015/08/07(金) 23:51:52.35 ID:FqdWahY00
「処女ォオオオオオッ?!」
がばっ、と起き上がると俺は自分の部屋に戻っていた。
まだ実感が湧かないが、どうやら『魔法』というものを授かったのは確かなようだ。
拳を開いたり閉じたりしてみる……普段通りの動きに安心する。
少なくとも発動しない限りはいつもの身体と変わりない。
いや、少し手の感じが違う。
いつもの場所にくたびれた皸(あかぎれ)はなく、張りが戻っている。
「……まさか」
布団をけっ飛ばして洗面所に走る。
いくつかものを倒したように思うが気にしてはいられなかった。
息も絶え絶えに鏡を覗きこむと、予想は当たっていた。
『30歳童貞』だった俺はそこにはなく、……あろうことか、若くなっている。
恐らく18歳かそこらだ。
まだ世の女たちへの憧れを持っていたあの頃の俺が居る。
顔を触ってみた。
皺はどこにもなかった。
こうなると『魔法』というフレーズがいよいよ現実味を帯びてくる。
何だこの力は。
「こ、あ、お、俺は、……こ、これから『処女』……と、戦うのか……」
足取りに力はなく、俺はフラフラと外に出た。
そして想像を超える光景を目にすることとなる。
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