23: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/08/08(土) 23:31:19.94 ID:eMWdeDR60
「……もう一本飲むか?」
やっと口を開いた提督の顔には気遣わしげな表情が浮かんでいる。
あんたのせいだ、っていうのは筋違いなのに心のどこかでそう考えてしまう。
「……いらねえ。でも酒だったら飲みたい」
「だめだ」
ほとんど即答で断られた。
分かってた。けど理由が想像と違った。
「酒が入ると嫌なことをかえって忘れられなくなるそうだ。やけ酒なんて言うが、あれは逆に自分を苦しめてるだけなんだとさ」
「……経験有りか?」
「かもな。祝い酒ならよかったけど、今の摩耶に酒は飲ませられないな」
提督は笑ってみせる。不覚にも気取りのない、いい顔だと思った。
……認める。提督はあたしたちをよく見てるし、把握しようとしてる。
上司として見るなら、きっと信用しても大丈夫なんだろう。
「くくく……まあ、これから神通との訓練があるのに、飲ませたとあったら俺もあいつに何されるか分からないしな」
……ちょっといい気分になったらこれだよ。
あたしの提督に対する評価は上がったり下がったりと不安定だった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
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