33: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/08/12(水) 23:43:23.15 ID:uRGr9KtP0
  
  
  
 「でも、あれは提督も認めてくれてるし……」 
  
 「初日、二日目とかならいいよ。約束もあったかもしれないし」 
  
 「だろ?」 
  
 「でも、それをずっと続けるのはどうなの? 今日で五日目だよね」 
  
 言い返せなかった。そもそも鳥海が言ってることが正しいのは分かってる。 
  
 「司令官さんが二人分の仕事をしてるのはおかしくない?」 
  
 「けど提督は何も言わなかったし……」 
  
 「言わないよ、司令官さんは。すぐに我慢しちゃうし、そうじゃなくても私たちを優先しがちだから」 
  
 ……ああ、まただ。あたしと話してるのに、あいつのことを考えてる。そういう顔をしてる。 
  
 大体、あたしが追いつきたいのも鳥海が一人で遠くに行ってしまいそうだからだ。 
  
 そのまま手を掴めなくなってしまいそうで……それなのに。 
  
 「司令官さんはなまじ色々できちゃうから、すぐに背負い込んじゃって」 
  
 「やめろよ!」 
  
 あたしを飛び越えて、あいつを見て、あいつに話しかけるのは! 
  
 「なに……?」 
  
 怒鳴られて鳥海は困惑していた。そこで余計なことを言ったんだと、あたしはやっと気づいた。 
  
 それでも、どうしてだろう。あたしの中に苛立ちがあるのは。 
  
  
  
  
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