過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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235: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:13:40.60 ID:s8phhYh5O

「そして凛。君はアイドル活動はまだちょっと先だ。しばらくレッスン漬けになってもらおうと思う」

Pが、プランを記した用紙を凛に渡しながら告げた。

以下略



236: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:14:07.77 ID:s8phhYh5O
手許には、達成すべき目標がびっしりと書き込まれていて、自然と武者震いが起こる。

「凛はきっと輝ける。二人で、トップアイドルを目指そうな」

「ふふっ、頼んだよ、プロデューサー。ぼーっとしてたら置いてっちゃうからね?」
以下略



237: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:14:34.80 ID:s8phhYh5O
『鍛える』――言葉としては格好良いが、その実、現時点では使い物にならない、と云うことを意味する。

無論、これまでただの一般人だった自分が、すぐにアイドルとして輝けるなどとは思っていない。

流石に自惚れてはいないつもりだ。
以下略



238: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:15:13.84 ID:s8phhYh5O

ミーティングを終え、日がすっかり暮れた中を、凛たち三人は飯田橋駅まで歩く。

いよいよ本格活動を開始するだけあって、皆、幾分か気負っているようだ。

以下略



239: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:16:07.43 ID:s8phhYh5O


・・・・・・

「凛ちゃん、かなり気合入ってたな」
以下略



240: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:16:35.44 ID:s8phhYh5O
――果たしてそうかな?

鏷の言葉に、社長は少し離れた執務机で、声には出さず、内心そう呟いた。

現時点で凛の本心――猛烈な悔しさに気付いているのは、この一人だけ。
以下略



241: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:17:03.26 ID:s8phhYh5O
「それにしても、随分レッスンばっかりねぇ」

口を閉じて笑う鏷の手許を、銅が覗き込む。

「見た目は既に小綺麗なんだし、グラビアとかモデルとか、そう云う方面からやってもいいんじゃないの?」
以下略



242: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:17:40.89 ID:s8phhYh5O
「でも、多分それだと『ちょっとカワイイ娘』の評価のままで、遠くないうちに消えるだけだと思うんだよ」

例えば、昨年一年間に発行された数多の少年誌・青年誌。

それらの巻頭などで取り上げられたアイドルやモデルのうち、記憶に残っている者はどれだけいるだろうか?
以下略



243: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:18:15.31 ID:s8phhYh5O
「勿論、グラビアを突破口にすると云う鏷と未央ちゃんの方針に異は唱えないさ。彼女ならきっとうまくいく。
 でも、その手法は、おそらく――凛では通用しないと思う」

禿―かむろ―が芸を磨いて、長く重用される太夫となるように。

以下略



244: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:19:15.91 ID:s8phhYh5O
ただし、この育成方針は、彼にとって一種の賭けだった。

芸能界で通用するためには、今よりももっと鍛え上げなければいけない。

だが、あまり修練に費やしすぎると、精神力の枯渇を早期に招く。
以下略



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