過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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239: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:16:07.43 ID:s8phhYh5O


・・・・・・

「凛ちゃん、かなり気合入ってたな」
以下略



240: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:16:35.44 ID:s8phhYh5O
――果たしてそうかな?

鏷の言葉に、社長は少し離れた執務机で、声には出さず、内心そう呟いた。

現時点で凛の本心――猛烈な悔しさに気付いているのは、この一人だけ。
以下略



241: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:17:03.26 ID:s8phhYh5O
「それにしても、随分レッスンばっかりねぇ」

口を閉じて笑う鏷の手許を、銅が覗き込む。

「見た目は既に小綺麗なんだし、グラビアとかモデルとか、そう云う方面からやってもいいんじゃないの?」
以下略



242: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:17:40.89 ID:s8phhYh5O
「でも、多分それだと『ちょっとカワイイ娘』の評価のままで、遠くないうちに消えるだけだと思うんだよ」

例えば、昨年一年間に発行された数多の少年誌・青年誌。

それらの巻頭などで取り上げられたアイドルやモデルのうち、記憶に残っている者はどれだけいるだろうか?
以下略



243: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:18:15.31 ID:s8phhYh5O
「勿論、グラビアを突破口にすると云う鏷と未央ちゃんの方針に異は唱えないさ。彼女ならきっとうまくいく。
 でも、その手法は、おそらく――凛では通用しないと思う」

禿―かむろ―が芸を磨いて、長く重用される太夫となるように。

以下略



244: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:19:15.91 ID:s8phhYh5O
ただし、この育成方針は、彼にとって一種の賭けだった。

芸能界で通用するためには、今よりももっと鍛え上げなければいけない。

だが、あまり修練に費やしすぎると、精神力の枯渇を早期に招く。
以下略



245: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:20:06.80 ID:s8phhYh5O
「……ま、きちんと考えてのことならいいわ。凛ちゃんのことは管轄外、部外者―アタシ―は何も云わないさ」

「すまんね。こう云っちゃ悪いが、しばらくは卯月ちゃん未央ちゃんに“養って”もらうことになりそうかもな」

レッスンや鍛錬とは、それ自体は金を生む行動ではない。
以下略



246: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:20:38.37 ID:s8phhYh5O
鏷が口を大きく開けて笑う。

「はっは。元々新興事務所で飛込営業バッチコイな状況だ。扶養家族が一人二人増えてもあんま変わらねえだろ」

「頼もしいな、ありがとう」
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247: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:21:06.21 ID:s8phhYh5O
宛転と話し合いを進めるプロデューサー陣の背後を、ちひろが横切り、執務机へ歩いていく。

「まずは第一関門突破、ですね?」

社長に、湯気の立つ茶碗を差し出しながら、破顔した。
以下略



248: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:37:52.49 ID:s8phhYh5O



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以下略



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