過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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295: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:14:02.03 ID:s8phhYh5O
手っ取り早く凛の要望を叶えるなら、明日にでも出来てしまうだろう。

それほどまでに、箱は都内には数多あるのだ。

だがそこで簡単にステージに立ったところで、持続できるかと云えば……答えはまずNOだ。
以下略



296: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:14:31.80 ID:s8phhYh5O
「とは云ってもなぁ……」

凛の様子を窺いながら、思案に耽る。

地下に対して厳しい見方をしたところで、しかし大嶋の助力を得られない現状では、
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297: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:15:02.19 ID:s8phhYh5O
誰もが無名の状態から始まる。

そう、現在第一線で活躍するアイドル、例えば天海春香や如月千早でさえ。

彼女らだって、最初期は誰にも知られていない有象無象に過ぎなかったのだ。
以下略



298: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:15:31.79 ID:s8phhYh5O
「凛、突然だが、明日は何か用事あるか?」

一度外へ出て自販機のスポーツドリンクを差し入れに買ったのち、Pは再びスタジオ入りして問うた。

今回は防音扉の開閉に気を使う必要はない。
以下略



299: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:16:02.34 ID:s8phhYh5O


――

翌日、学校を終えて出社する凛の荷物を事務所に置き、飯田橋からわずか三駅東へ出た秋葉原に、二人はいた。
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300: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:16:38.07 ID:s8phhYh5O
駅から歩いて10分ほどにあるビルの、地下へ降りる階段。

昼間なのに昇降口はやや薄暗く、胡散臭い雰囲気を漂わせている。

しかしCGプロの事務所だって、怪しさでは負けていない。
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301: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:17:12.46 ID:s8phhYh5O
胡散臭い入口をくぐり、胡散臭い扉を開け、胡散臭い受付で二人分のチケット代を支払って、中を窺う。

湿度の非常に高い熱気が、Pと凛を包んだ。

観客の入りはせいぜい数十人といったところだろうか。
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302: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:17:57.89 ID:s8phhYh5O
しかし会場の熱気とは裏腹に、内容そのものは友人同士による内輪のバンド活動と、さほど差異は感じられない。

それはアイドル自身の力量不足によるものか、はたまた音響設備の貧弱さによるものか、または別の何かか。

いづれにせよ、一般人の思い浮かべるアイドルから、およそ懸け離れた姿だった。
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303: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:18:48.23 ID:s8phhYh5O
悪気があってのことではなく、単純にこう云う世界を知らないだけなのだが――毒気を抜かれるのは宜なるかな。

どれもが、テレビや雑誌で目にするアイドルシーンとまるで違う存在なのだから。

「これも一応、れっきとしたアイドル活動さ。地下アイドルっていうジャンルだな」
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304: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:19:18.13 ID:s8phhYh5O
「でも、今の凛――いや今の俺たちは、このラインにさえ達していないわけだ」

一見、目の前で繰り広げられるのが学校の文化祭かと錯覚するレベルであったとしても。

こういう場所が、Pたちの出発点となろう。
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305: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:20:13.08 ID:s8phhYh5O
麗がかつて手にした、トップアイドルの印。

凛を間接的ながらこの世界へ誘った、最高の証。

Pをこの世界へ引き込んだ、栄冠の星。
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