31: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:24:02.01 ID:s8phhYh5O
そんな変わらない鬱屈したループから抜け出したくて、藻掻いて、ピアスを空けてみた。
中学生とは違うのだ、と自らの身体に刻み付けたかった。
それでも、生じた変化は、髪に隠れた部分の僅かな見た目だけ。
父親に渋い顔をされたくらいで、その他の環境は何ら変わることは無かった。
むしろ、ナンバースクール伝統の自由過ぎる校風から、ピアスや染髪なんて当たり前に行なわれている中で、
彼女はただ単に、そんな有象無象の一人にしかならなかった。
「はぁ〜ぁ……」
まるで幸せが逃げて行きそうな溜息を吐いて、髪を掻き上げる。
西日に照らされた左耳、白銀色のピアスが鈍く光り、そして、さらりと流れる、黒く綺麗な長髪が揺れた。
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