過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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464: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:23:26.24 ID:s8phhYh5O
そして方々に散りばめられたPの想い。

初のステージで観客の視線を釘付けにできた誇り。

みくとのライブバトルに勝たせてやれなかった、指導者としての力不足。
以下略



465: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:23:54.15 ID:s8phhYh5O
しかし、だとしても、ただの赤の他人のため、ここまで身を粉にできるだろうか?

芸能界へ飛び込む前から妙な縁があった女の子だから?

初めての担当アイドルだから?
以下略



466: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:24:30.94 ID:s8phhYh5O
これほど自分のことを見てくれていたとは、予想だにしていなかった。

自分はそんなことも知らず、なんて言葉を浴びせてしまったのか。

凛は、胸が締め付けられる思いがした。
以下略



467: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:25:23.23 ID:s8phhYh5O

応接エリアのソファで凛が宿題を解いていると、Pが昼食から戻ってきた。

立て付けが急に再び悪くなったドアを訝しみながら、事務机へと戻る。

以下略



468: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:26:01.59 ID:s8phhYh5O
そのまましばらく目線を交わらせ、

「……ごめん。その……色々と」

深めに頭を下げ、謝罪の言葉を口にした。
以下略



469: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:26:30.28 ID:s8phhYh5O
「着拒されたから、俺のプロデュース人生が終わったかと、結構本気で思った」

「麗さんにね、お前は早合点する癖がある、って……諭されちゃった」

Pは、自分の知らないところで橋渡しをしてくれた麗に心の中で感謝した。
以下略



470: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:27:00.70 ID:s8phhYh5O
「こないだ負けて、まだまだだって思い知らされた。だけど、これから頑張ってあのレベルまで成長できても、
 その頃にはみくだって同じように力をつけて、もっと先に行ってるよね……」

握る手に、不安の力がこもる。

以下略



471: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:27:46.15 ID:s8phhYh5O
「パラ、ドックス……?」

「そうだ。そのパラドックスは一見、正しいことを云っているように思えるんだよなぁ」

古代ギリシャ人を悩ませた有名な逆理。
以下略



472: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:28:25.67 ID:s8phhYh5O
10メートル先を秒速1メートルで歩く人間がいたとして、それを秒速3メートルで追い掛ければ――
5秒後には追い付いて、6秒後にはその人より2メートル先へ飛び出ている。

哲学的に考えれば袋小路へ陥りそうでも、数学的に考えれば至極単純なこと。

以下略



473: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:29:10.65 ID:s8phhYh5O

確かに、凛……いや俺たちはあのとき負けたが、打ち負かされること自体は、何ら恥じ入る必要などないと思う。

“打ち負かされたまま、立ち上がろうともせずにいる”――それこそが、恥ずべきことなんだ。

以下略



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