過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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512: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:21:21.18 ID:SScT0J3gO
場にいる六人全員が黙り込む。

「……あの」

卯月が真剣な面持ちで話を切り出した。
以下略



513: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:22:22.56 ID:SScT0J3gO
男三人の会話を、卯月が「あの、Pさん」と遮った。

「おっとと、どうした卯月ちゃん」

「いま、Pさんの言葉でピンときました。世代、って」
以下略



514: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:23:07.42 ID:SScT0J3gO
即座にプロデューサー陣が動く。

「ニュージェネレーション、芸能関係で聞いたことあるか?」

「いや、アタシはないわね」
以下略



515: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:23:36.84 ID:SScT0J3gO
慌ただしく動くプロデューサーらとは対照的に、凛、卯月、未央は目を瞬かせて坐ったままだ。

「なんか……こんなあっさり一気に決まっちゃっていいのかな……」

「まーいいっしょ〜〜! しぶりん、決まるときって案外こんなもんかもよ?」
以下略



516: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:24:32.35 ID:SScT0J3gO


――

ニュージェネレーションというユニットが固まって、先方事務局への連絡も済ませた。
以下略



517: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:25:01.98 ID:SScT0J3gO
ユニット化にあたって、これまで体力や身体能力に重点を置いた凛の育成方法を見直す必要があった。

歌も、踊りも、そしてビジュアルの魅せ方も、三人で改めて積み重ねなければならない。

ありがたいことに、麗の力添えによって、ベテラントレーナー青木聖の合流が叶った。
以下略



518: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:25:40.89 ID:SScT0J3gO

全てを満遍なくレベルの底上げができるようにレッスンを組み直してから数日。

スタジオから戻った凛が、そのまま帰らず、事務所でPに相談していた。

以下略



519: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:26:48.35 ID:SScT0J3gO
「あーなんつーかアレだな、細い、ってーのか? よく判らんがハモりが中々安定しない印象だったな」

と、本日の引率者は斜向かいにある自らの机から凛の印象を述べた。

「三人一緒に同じレッスンを受けるの久しぶりだけど、進歩ナシだね私。ちょっと悔しい」
以下略



520: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:27:25.19 ID:SScT0J3gO
「未央ちゃんや卯月ちゃんは、引き出し方がうまいんだ。今のところはな」

机上の書類をファイルホルダに片付けてから、Pが凛の方を向いて云った。

「お前は、目を見張るほどの才能があっても、それの引き出し方を知らないだけだよ」
以下略



521: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:28:17.00 ID:SScT0J3gO

 いい音を出すには、楽器の奏法だけではなく、楽器の構造を知っていなければならない。

 例えばギターは、弦を弾いて、その振動をボディに共鳴させ増幅し、豊かな音を届ける楽器だ。

以下略



522: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:28:54.91 ID:SScT0J3gO

 それは声も同じ。

 声帯を震わせて作る空気の振動を、咽喉や口腔で共鳴・調整して出力している。

以下略



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