過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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577: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:17:15.58 ID:SScT0J3gO
「ニュージェネレーションの、渋谷凛です!」

凛が右手を天高く振りかざすと、駆け抜ける風に黒い長髪とリボン、そしてスカートがたなびく。

碧い瞳が、髪飾りのワンポイントが、洗練された装いの中で明るく主張している。
以下略



578: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:18:42.50 ID:SScT0J3gO
――今、自分は、誰も知らない将来のスターを、誰よりも早く見ることができている。

ひしめく客の大半が、その感想を胸に抱いていた。

遠くない未来、きっとこのアイドルは大物になる。そんな予感とともに。
以下略



579: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:19:16.28 ID:SScT0J3gO
ステップの踏み方、体幹の位置、振り付けの躍動、腹の底から出す声――青木姉妹から受け継いだもの。

そして、ヨーヨーを投げる意識、碁石を置く意識――Pから受け継いだもの。

非常に多くの要素を頭で考えるより先に、凛の身体が自動的に次へ次へと存在を表現していく。
以下略



580: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:20:02.43 ID:SScT0J3gO

みくは一足先にステージを終えていた。

未だ曲と歓声の流れ続ける方向をちらりと見て、勝敗を探らむとし、途中で止めた。

以下略



581: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:20:32.44 ID:SScT0J3gO
勿論、みくの本日のステージだって、原宿の箱で演っていた頃よりも大きな動員数を記録した。

だから、みく自身も成功していたのは間違いない。

単純に、ニュージェネレーションの方がより大きく成功しただけに過ぎないのだ。
以下略



582: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:21:06.41 ID:SScT0J3gO


――

CGプロの事務所、応接エリアに大手雑誌社のライターやカメラマンがいる姿は、どうにも慣れないものがある。
以下略



583: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:22:06.15 ID:SScT0J3gO
新聞や雑誌、ニュースサイト――複数回に亘るアポを消化する頃には、
彼女らにはアイドルとしての強い自覚、そして風格が備わりつつある。

ランクこそ上がってはいないものの、ニュージェネレーション三人のDランク昇進は時間の問題であろう。

以下略



584: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:22:49.43 ID:SScT0J3gO
今、受けているインタビューは、展開の核となろう雑誌のもの。

ゆえにCGプロとしても鼻息が荒い。

社長やプロデューサー陣がアイドルの展開予定等を伝え、手応えを感じつつある頃。
以下略



585: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:23:38.07 ID:SScT0J3gO
Pが応接エリアのパーテーションから顔だけを覗かせると、案の定、玄関で仁王立ちしているのはみくだった。

Pの顔をめざとく見つけた彼女は、戸惑うちひろの制止を無視してずんずんと歩いてくる。

肩を怒らせ、Pをびしっと指差して、「こ、こないだは全く歯が立たたなかったぞぉ!」と威勢良く叫んだ。
以下略



586: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:24:11.62 ID:SScT0J3gO
ここまで来たらええいままよ、と開き直ったみくは、その場の全員を上目遣いで見た。

「あ……あんなことされたのっ、初めてにゃ……だから、ちゃぁ〜んと責任、とってよねっ☆」

みくの爆弾発言に、未央が、喋りまくって乾いた口を潤そうとしたお茶を盛大に噴き出す。
以下略



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