607: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:08:29.97 ID:3+pD+bLQo
――
十月半ば。
608: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:09:28.97 ID:3+pD+bLQo
磐梯南無粉との協業は、Pの予想を遥かに超えた規模の計画になっていた。
詳細なプランが煮詰まりつつあった先月のこと、出家鵺の参加が打診されたのだ。
609: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:10:00.57 ID:3+pD+bLQo
これほど大規模になるなら、それこそ波浪プロ擁するダウンバックなり、星屑プロモーションなり、
大事務所を使った方がいいのでは。
それとも、これほど大規模に風呂敷を広げてもなお、失敗の可能性を危惧しているのか。
610: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:10:31.78 ID:3+pD+bLQo
仮に出水事故や落盤事故を起こしても、CGプロだけ切り捨てれば被害は軽微で済む。
大手事務所を大量に使っては、そうはいくまい。
いわば使い捨ての駒のようにも思えるが、世の中にはその駒にすらなれず消えていく人々の方が多いのだ。
611: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:11:08.63 ID:3+pD+bLQo
伝通と磐梯南無粉、そして出家鵺の力は凄まじい。
新規コンテンツのリリースを間近に控え、CMが全国ネットで放映されたのだ。
612: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:11:36.01 ID:3+pD+bLQo
「おはようございま……」
カチャリと軽やかになったドアの開閉音とともに凛が出社して挨拶を寄越すが、
『アンタがプロデューサー?』
613: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:12:03.14 ID:3+pD+bLQo
「あアァッ! なんで切るんだよ!」
「なにやってるのプロデューサー! 延々同じところを繰り返して、恥ずかしいってレベルじゃないでしょ!」
不意の切断にPが叫び、凛は顔を真っ赤に染めながら呆れる。
614: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:12:32.20 ID:3+pD+bLQo
凛自身、両親とともに初めてCMを見たときは、天にも昇る気持ちだった。
しかしそれで済めば可愛いものだったのだが、本日、クラスで散々弄られるハメになったのだ。
いくらインターネットが発達したとはいえ、お茶の間に流れるテレビは依然強い伝搬力を持っている。
615: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:13:01.86 ID:3+pD+bLQo
流石にこの事態に教諭陣は眉をひそめつつある。
凛の成績は上位を維持していたので現時点でお咎めは受けていないが、もし今後さらに露出が増えれば、
仕事も比例して増え、現在のままの学業を続けるのは難しくなるだろう。
616: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:13:31.52 ID:3+pD+bLQo
好奇の目に曝される凛を、それとなく護ってくれているのだ。
身近に理解者が居るというのは、とてもありがたいことだった。
「……そうか。また今度、何かお礼をしなきゃいけないな」
617: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:14:15.99 ID:3+pD+bLQo
――
11月28日。
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