過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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62: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:45:19.62 ID:s8phhYh5O
芸能界が居所となるかも知れない機会を得た、だって?

思い上がりもいいところだ。

バレエや歌を習っているわけでもない、ティーン誌のモデルをしているわけでもない。

ただの一般人である自分に、果たして何ができると云うのか。

口車に乗せられて、分不相応なことを考えてしまっていた。

――何の取り柄も無い私には、こうやって友達とカラオケを楽しむくらいが関の山。

あづさの歌唱に合わせて備え付けのタンバリンを振るまゆみを見ながら、凛は自嘲気味に笑った。

自分など、物語の主人公はおろか、登場人物にさえなれない、観覧者の立場でしかないのだから。


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