過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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638: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:25:35.23 ID:3+pD+bLQo
「……マジかよ」

「うん、試験休み中は帰ってくるの十時になったりしてたから。六時ならだいぶ早い方」

「人使い荒過ぎじゃないかしら、それ」
以下略



639: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:26:15.23 ID:3+pD+bLQo
カシャリと乾いた音を立てて地面を跳ね、滑るのは携帯電話。

まゆみとあづさ、そして凛の間に転がったそれを取ろうと、三人が同時にしゃがみ込み、手を伸ばした。

その様子をお互いにしばし見詰め、笑い合う。
以下略



640: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:26:44.53 ID:3+pD+bLQo
「答案返却日だったでしょ、わたしたちが代わりに持ってきたのよ」

「あー……」期末考査の存在を思い出して凛は首を竦めた。

「あたしゃ天使だからな、あまり悪くはない点数だった、とだけ教えといてやるぜ」
以下略



641: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:27:11.19 ID:3+pD+bLQo
彼女たちが見えなくなってから凛を玄関までエスコートしたPは不思議そうに呟く。

「あのまゆみちゃん、見た目は不良ギャルなのにいい子だよなぁ」

逆にあづさちゃんは真面目そうだけど一番キワドイ服装だったな、とも。
以下略



642: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:27:38.83 ID:3+pD+bLQo

この日が答案返却日だったのはPにとってタイミングが良かった。

凛を送迎しがてら、彼女の両親に、越堀高校芸能科への転学を検討する相談を切り出す材料になったからだ。

以下略



643: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:28:04.91 ID:3+pD+bLQo
担当アイドルの住む家へ上がっての相談――

ファンからすれば垂涎の状況であっても、その席上は難しい議題だ。

凛自身、「ちょっとどうするのが正解なのかわからないな……」と考え込んでしまった。
以下略



644: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:28:32.24 ID:3+pD+bLQo
寡黙だった父親が、

「まあまだ冬休みに入って時間はある。少しずつ考えて気持ちを固めるといいだろう」

凛にそう告げ、さらに、お前の考えを尊重する、と付け加える。
以下略



645: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:29:02.42 ID:3+pD+bLQo

数日が経って、凛が終業日をきちんと出席し冬休みへ突入したばかりの昼下がり。

事態は思わぬところから背中を蹴られた。

以下略



646: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:30:34.41 ID:3+pD+bLQo
そう云って広げたのは二日後に発売予定の、ゴシップで有名な週刊誌の試し刷り。

事前照会のため出版社から送られてきた、独特の光沢ある白黒の写真ページに、でかでかとした表題が踊る。

『――人気急上昇アイドル“R”の黒い交友関係――』
以下略



647: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:31:02.45 ID:3+pD+bLQo
タイミングとしては、落とした携帯を拾おうとしゃがみ込んでいる刻だろう。

巧い具合にトリミングして、物を拾う行為ではなく、不良同士がたむろしているような雰囲気を演出している。

しかも、まゆみとあづさの口元をわざと少しボカして、あたかも煙草を咥えているかのように見せていた。
以下略



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