686: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:52:59.10 ID:3+pD+bLQo
「頂いた候補リストは既に拝見しました。ご存知とは思いますが、
我々はクール・キュート・パッションと属性を三つに分けて展開しております」
「ええ、承知しています。その展開の妙や幅広さも気に入っていまして」
687: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:53:32.62 ID:3+pD+bLQo
「CDデビュー!?」
本日の授業を終え、朝方ぶりに再度顔を合わせた凛が、Pの言葉に目を丸くした。
688: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:54:08.43 ID:3+pD+bLQo
「つまり、第一課―うち―からは私と楓さん、ってことだよね、多分」
凛が、この場にいることの意味をすぐに察している。
高垣楓は活動を開始して三箇月ほどしか経っていないが、その独特のミステリアスさに加え
689: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:54:56.62 ID:3+pD+bLQo
「ジヤパン哥倫……こんな有名なところからCDデビュー……すごいね。なんか一気に階段を上がっちゃう気分」
凛の興奮もうべなるかな。
これまでライブ会場や都内レコード店等で自身の歌を収録したCDを売ってきたが、
690: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:55:28.29 ID:3+pD+bLQo
餅は餅屋。たとえ杵柄を昔取っていたとしても、現在第一線に立つ人と比べるのはおこがましいにもほどがある。
「二人分ともに、磐梯南無粉さんが便宜を図ってくれるみたいだから、俺も楽しみだ」
リッチレーサーの小久保さんかな? エースウォンバットの串西さんかな? と妄想の世界に入り込む。
691: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:55:59.26 ID:3+pD+bLQo
――
しばらくはCD関連の用事が多く、凛は忙しかった。
692: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:57:10.39 ID:3+pD+bLQo
目まぐるしい平日を終え、土曜日。
凛はようやく腰を据えてレッスンできる環境を得た。
この日は卯月、未央と一緒に練習できる久しぶりの機会だ。
693: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:57:41.71 ID:3+pD+bLQo
二人とも凛同様ぼちぼち軌道に乗りつつあり、平日は忙しそうにしているのも理由としてある。
ちひろとも離れてしまったし、寂しくないと云えば、それは嘘になる。
しかし忙しいことは本来喜ばしいのだ、三人はそう云って笑い合った。
694: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:58:23.91 ID:3+pD+bLQo
「まーでも最近は特にしぶりんが忙しそうだよねー。見かけると必ずバタバタしてるし」
未央が首に掛けたタオルで頬の汗を拭いながら笑った。
「ここしばらく、作曲の人への挨拶とか、ジヤパン哥倫での打ち合わせとかがあったから――」
695: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:58:52.25 ID:3+pD+bLQo
「うん。……あれ? 未央は打ち合わせはジヤパン哥倫でやらなかったの?
忙しいとかで担当の横浜さんがこっちに来てくれたりとかしたんだ?」
「ん〜〜? なにが?」
696: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:59:24.53 ID:3+pD+bLQo
卯月がピンと来たのか、わくわくした様子で身体を寄せる。
「ジヤパン哥倫ってことは、もしかしてメジャーデビューするの!? すごいよ凛ちゃん!」
「おおお? しぶりんマジ? メジャー行きおめでとっ!」
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