過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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718: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:16:14.07 ID:3+pD+bLQo
「今年、お花見しなかったな……」

レッスンスタジオが空くのを待つ間、第一課の窓から外を見る凛が、ぽつりと呟いた。

「そうだなあ、桜自体は毎日の行き帰りで見てたが」
以下略



719: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:16:44.36 ID:3+pD+bLQo
又聞きながら、一部のアイドルは、スケジュールの都合をつけて近くの児童公園でささやかな花見をしたらしい。

しかし凛のみならず、制作が佳境だったCD組や、普段の仕事が忙しい卯月と未央は
そのような機会を設けることができなかった。

以下略



720: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:17:22.05 ID:3+pD+bLQo
「来年はお花見したいね。それとも、もっと忙しくなっててそれどころじゃない方がいいかな? ふふっ」

凛が皮算用にくつくつと肩を揺らした。

「まあどっちに転んでもいいんじゃないかね。適当に理由つけて昼間からビール呷りたいもんだ」
以下略



721: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:17:49.66 ID:3+pD+bLQo
「プロデューサー、どうしたの?」

「サマーライブフェスからお誘いがきたぞ。今年の夏も暑くそして熱くなりそうだ」

「え? もう案内がきたの? 去年は夏に入ってからの話じゃなかったっけ」
以下略



722: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:18:16.91 ID:3+pD+bLQo
なるほどね、と凛は満足気に笑う。

日頃の仕事内容が増えることよりも、去年経験した仕事に再度触れる際の待遇の変化こそが、
「ここまで頑張ってきたんだな」と実感しやすい。

以下略



723: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:24:03.90 ID:3+pD+bLQo

4月18日。

いよいよ凛たちのCDが、全国津々浦々へ届けられる日がやってきた。

以下略



724: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:25:16.36 ID:3+pD+bLQo
「権利侵害だよ著作権侵害! はい通報通報!」

「別にいいんじゃないかこれくらいは。ループしただけで何か悪意のある編集でもないし、大目に見るぞ俺は」

「私の尊厳が踏み躙られてるんだってば!」
以下略



725: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:25:58.62 ID:3+pD+bLQo
いわゆる若さ故の黒歴史と云うものは誰しも持っているだろうが、
凛にとって不幸なのは、それが形として永遠に遺ることであろう。

まあきっと数年後には笑い話の種になっているはずだ。

以下略



726: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:26:27.24 ID:3+pD+bLQo

終業後、二人は東京ミッドタウンはTATSUYA MUSIC STOREに足を運ぶ。

「あ、ほんとに置かれてる」

以下略



727: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:26:57.02 ID:3+pD+bLQo
他ジャンルのアルバムを探すふりをしながら遠目で様子を窺うと、
会社帰りとおぼしきスーツ姿のサラリーマンが、手に取ってレジへ持っていくのを何度となく見た。

或る人は凛だけを予め狙っていたように。

以下略



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