過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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739: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:33:02.92 ID:3+pD+bLQo
「……そっか。社長やプロデューサーにスカウトされて……もう、一年経つんだね」

流れで高校へ進学して、何の彩りもなかったときに現れた、妙なオジサン。

渋谷で当て所もなく抜け殻になっていた自分の前に現れた、妙な不審者。


740: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:33:31.76 ID:3+pD+bLQo
「プロデューサーには云うまでもないだろうけどさ、私、空っぽだったんだよね――」

卯月みたいに、小さな頃からアイドルへ憧れていたわけでもない。

未央みたいに、大勢の輪の中心で笑っていたわけでもない。
以下略



741: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:33:58.05 ID:3+pD+bLQo
「でもさ、それってプロデューサーと麗さんが教えてくれたんだよ。こんなに熱くなれるものがあるんだ、って。
 プロデューサーが私の背中を押してなかったら、ステージに立つ緊張も、スポットライトを浴びる高揚感も、
 歌う楽しさも……たくさんのことを知らないままだった」

――だから。
以下略



742: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:34:32.05 ID:3+pD+bLQo

普段はあまり自分のことを語らない凛が、珍しく饒舌だった。

それは、この一周年と云う機会を逃したら、もう伝えられないかも知れないという思いによるものか。

以下略



743: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:34:59.51 ID:3+pD+bLQo
「……ちょっと花見でもしていくか」

ひらひらと舞う柔らかな花弁を全身に受けながら、Pは凛を振り返った。

ベンチの前に広がる大通公園は桜だけでなく様々な花が咲き誇っていて、とても彩り豊かだった。
以下略



744: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:35:27.86 ID:3+pD+bLQo
「ねえ、プロデューサー、もしかしてさ――」

隣に坐る凛がPの方を向いた。

言葉は続けないが、目で語り掛けてくる。
以下略



745: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:37:34.25 ID:3+pD+bLQo



・・・・・・・・・・・・

以下略



746: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:38:01.98 ID:3+pD+bLQo
凛がメジャー流通にデビューして以降、無事にCD第二弾として卯月へバトンを渡すことができた。

残念ながら未央は第二弾のメンバーに入らなかったが、彼女曰く
「第三課―パッション―はみんな平均が高いからね!」と自らが所属する課の層の厚さに胸を張っていた。

以下略



747: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:38:31.30 ID:3+pD+bLQo
第二弾の発売が八月第二週へ迫るのと同時並行で、今年のサマーライブフェスは八月最初の週末だった。

フェスに専念できる凛と未央はともかく、二重タスクとなる卯月は相当に大変そうだった。

さほど遠くない実家から通う時間すらも惜しかったのか、本郷の第二女子寮へ入ることにしたほどだ。
以下略



748: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:39:10.98 ID:3+pD+bLQo

昨年と同じく、サマーライブフェスはフジツボテレビ湾岸スタジオ内に、特設ステージを築くことで開催される。

規模や構成も、去年とほぼ変わっていなかった。大、中、小それぞれの規模でステージが設けられ、
個々のタイムスケジュールで大勢のアイドルたちが熱く盛り上げていくのだ。
以下略



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