過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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749: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:39:38.26 ID:3+pD+bLQo
本番二日前のゲネプロへ赴いたCGプロ一同が、タイミングの合った他の出演者と挨拶を交わす。

「まさかみくと隣り合って挨拶回りするようになってるとはね、一年前の私に教えたいよ」

「みくもそう思うにゃ。もし今ここに去年の自分がいたら、敵―凛チャン―と並んでるのを見て
以下略



750: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:40:06.69 ID:3+pD+bLQo
ふと、去年言葉を交わしたアイドルの何割かがここにいないと、凛は気付いた。

回を重ねるごとにフェスの参加アイドルは増えていて、今年は去年の倍以上が出演することとなっていたのに。

凛が引き出せる限りの記憶では、去年いたアイドルのうち、およそ五分の一ほどが、この場に姿を見せていない。
以下略



751: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:40:33.85 ID:3+pD+bLQo
「あー、あそこ解散したよ」

自身が割り当てられたステージの進行管理スタッフとは、必然的に会話が多くなり、顔も見知る。

その担当者にそれとなく訊くと、やはりと云うべきか、予想された答えが返ってきた。
以下略



752: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:41:02.28 ID:3+pD+bLQo
運も実力のうち。そう云って切り捨てるのは簡単だ。

だが――凛だって、他のCGプロアイドルだって、その立場になるかも知れなかった。

降り積もった些細な結びつきや偶然が、糸となって持続できたに過ぎない。
以下略



753: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:41:31.95 ID:3+pD+bLQo

フェス初日は、雲が広がって太陽のぎらつきが抑えられた代わりに、だいぶ湿度が高かった。

やはり、できることなら快晴の空の許で演りたいと思うのはわがままではあるまい。

以下略



754: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:42:02.25 ID:3+pD+bLQo
「うわ〜〜すごい人、人、人。熱気ムンムンだねっ」

未央が控室から外の様子を窺っている。

この日の出番は午後。
以下略



755: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:42:31.76 ID:3+pD+bLQo
「しまむー、大丈夫かな?」

「うーん、まだ本番まで一時間くらいあるけど、流石にそろそろ来てないとまずいかも」

「私たちができる準備はこっちで進めちゃえばいいけど、しまむーのメイクとかは私は代われないもんね〜〜」
以下略



756: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:43:01.92 ID:3+pD+bLQo
じきに、卯月が大慌てで楽屋へ入ってきた。

「遅くなっちゃってごめんなさ〜〜い!」

肩で息をしながら、目をぎゅっと瞑って手を合わせる。
以下略



757: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:43:29.23 ID:3+pD+bLQo
乱れた髪をセットしなおし、噴き出す汗に苦戦しながらなんとかメイクを整える。

「卯月、ダッシュでこっちへ向かってきたんだろうけど……それでステージ大丈夫?」

凛が覗き込むように問うと、未だ呼吸の落ち着かない卯月は「う、うん……がんばるね」と力なく苦笑した。
以下略



758: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:44:01.84 ID:3+pD+bLQo
Pはギリギリまで調整役として事務局と行ったり来たりしているし、
未央は転ばぬ先の備えとしてステージ脇で既に待機を済ませている。

いま、卯月の様子をチェックできるのは凛しかいない。

以下略



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