809: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 23:16:56.47 ID:3+pD+bLQo
「このコンサートは、今後のCGプロがどこまでやれるかの試金石となる。
CDのときと同じく、凛、お前に白羽の矢が立った」
Pに、やっぱり同じサイクルを繰り返すのか、とやや諦め顔で凛が問う。
810: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 23:17:29.09 ID:3+pD+bLQo
しかし凛としては、全然そのような実感がない。
常に誰かに対して自分は劣っているという認識。
それは――身近に麗がいる、と云うことに拠るのだろう。
811: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 23:17:57.22 ID:3+pD+bLQo
「私、こないだ麗さんの本気のパフォーマンスを見て、自分は全然ダメだって、わかったんだ」
凛は、麗がどれだけ凄いのかを、Pへのその一言に込めた。
「そりゃあ俺はアイドル青木麗の全盛期に育ったからよく知ってるよ。
812: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 23:18:24.32 ID:3+pD+bLQo
アリーナライブを行なうに相応しい力を手に入れるまで、諦めない。
私は――負けたくない。
卯月に、負けたくない。
813: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 23:18:55.59 ID:3+pD+bLQo
「……よしわかった。じゃあ麗さんには『凛に遠慮せずガンガンしごいてくれ』って伝えておくよ」
「望むところだよ。ふふっ」
Pの意地悪な言い種に、凛も意地悪なウインクを添えて破顔する。
814: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 23:19:23.02 ID:3+pD+bLQo
――
秋のテレビジョンは、様々なジャンルの番組が活況づく。
815: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 23:19:51.38 ID:3+pD+bLQo
さておき、凛はこのように仕事、学業、そしてレッスンと常に切れ目なくスケジュールが組まれていて、
週あたり半日分の休息時間を除いては常に慌ただしく動き回っている。
無論、テレビだけでなくCMの収録もあれば、インストアのイベントや、
種々のアーティストが顔を揃えるアリーナライブへの参加、雑誌のグラビアに寄稿にと、
816: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 23:20:20.78 ID:3+pD+bLQo
「こりゃ俺はメシ抜きだな。コンビニ寄ってお前の分だけ買うから車の中で軽く食え」
「わかった。私が現場入りしたらゆっくり食べてよ」
現在地の台場からブーブーエスのある赤坂までは、車を使っても鉄道を使ってもかなり面倒だ。
817: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 23:20:48.80 ID:3+pD+bLQo
「お、これは金本ディレクター、なかなかご一緒する機会がなく、ご無沙汰しております」
走る足を止めて、凛とともに会釈した。
「色々と噂は聞いてるよ。フェスでは相当お世話になったみたいだね、勿論、普段も」
818: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 23:21:16.96 ID:3+pD+bLQo
「今度さ、俺の企画で一件、かわいい子を使いたい番組があるんだけど、渋谷凛ちゃん、是非どうかな?」
収録と放映のスケジュールを併せて伝える金本に、Pは懐から手帖を取り出した。
「あぁ、申し訳ありません、その放映タイミングだと“汐留”から電波に乗っちゃいますね」
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