過去ログ - 鷹富士茄子「私を見つけてくれたから」
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3:名無しNIPPER
2015/08/10(月) 22:51:43.96 ID:rSBYzTPg0

「信じる者は救われます。だから大丈夫ですよ〜」


彼女はそう言って目を閉じ、眉間に可愛らしい皺を作ってまた念じる所作をした。
愛らしいと言えばすこぶる愛らしいのだけれど、もうさすがに遅い時刻だ。
見ていたいとは思うけれど帰って貰わないといけない。


「俺と千川さんは家が近いから別にこうして残ってても不便は無いけれど、茄子さんは終電という物があるよね?
 他の人達も帰っちゃったし、茄子さんも帰らないと」

「でも……」

「そうですよ茄子さん」


横で俺と同じように書類に追われていた千川が助け舟を出すように口を挟んできた。


「電車が一番安いんですから、電車を使わないと。タクシーなんて深夜はぼったくりですし、ビジホだって高いんですし。
 無駄遣いをしないうちに帰らないと駄目ですよ? それにアイドルがこんな夜遅くに外にいるというのも、あまり良いイメージはありませんし」

「でも、Pさんがまだ残ってるのに……それにちひろさんも」


倹約家千川氏からの有難い御言葉にも彼女は中々首を縦に振ろうとしない。


「良いんだよ茄子さん。こういう作業は俺達の仕事だ。茄子さんのお仕事はもう終わってるよね?
 だったら、ちゃんと家に帰って疲れを取らないと駄目だ。今日の営業だってハードだったんだから。ね?
 疲れを取って、次の仕事にも全力で取り組めるようにするのも大人の仕事だから」


あやすように、ちゃんと理屈を通して帰らないといけない理由を話す。
俺がそういう風に説明すると、茄子さんは視線を上に泳がせ、唇をちょっと突き出して何かむーっとした表情を作った。
怒ったのかな? と思ったが、すぐに彼女はしょうがないと言わんばかりの大きな溜息をついた。



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