過去ログ - 響「今ここにいる奇跡に」
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17:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2015/08/11(火) 23:06:46.64 ID:wqQE0kJT0

「さんきゅ、翔鶴姉!」

反撃に転じんと手のひらを高尾へ向ける。上空の爆撃機がすぐさま軌道を変える。
瑞鶴の視線の動きを読んだ加賀、上空にいた艦載機が鋭角ターン、高尾と瑞鶴の間に割って入る。
味方の航空支援を受けて後ろへ下がる高尾――咄嗟に頭を下げる。鳥海の砲火がその上を通過、水兵帽を掠めて海面に着弾。
強烈な震動で気絶した小魚たちが一斉に水面に浮かび上がった。

絶え間ない銃声、爆撃、衝撃の波。遠くにあって鼓膜を突き破らんとする砲火の音。
何より、飛び交う火線の中に躊躇いなく身を躍らせ、相手を屠らんとするその闘争心に、目が釘付けになる。

先ほどから唸るばかりの将校。周囲の視線に気づく。いつの間にか自分が椅子から立ち上がっていたことに気づく。
咳払いと同時に帽子を被り直し、ゆっくりと腰を下ろす。
「いかがでしょうか」そのタイミングで室長が声をかける。

「……小回り、火力、耐久性、いずれもケチをつけられんレベルだ。旧来の艦隊で対抗するのは、正直、難しかろうな」

「恐縮です」

へつらう室長、困難ではなく不可能の間違いだという内心を、卑屈さ漂う笑みに紛れ込ませる。


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