過去ログ - 響「今ここにいる奇跡に」
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31:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/16(日) 23:34:30.33 ID:GQNoXVLk0

「へえ、知り合い。そういえばあっちにも鎮守府があったわよね? そのお爺さんも軍の関係者?」

「ん……、まあそんなところかな。新造された直後にちょっとご厄介になったことがあって。
 ドッグが空くまでもうしばらくかかりそうだし、ならちょうどいい機会だと思ってさ」

「ああ、今扶桑さんが入ってるのか。そういう事情なら、わかった。ゆっくり骨休めしてきなさい」

「ありがとう。この埋め合わせは必ずするから」

響がフォークに刺さっていた最後の肉を口に運び入れ、懸命に咀嚼。空になった食器類を手際よくトレイに乗せて立ち上がる。

「お待たせ暁。じゃあ二人とも、お先に」

先んじて食事を終えていた暁と一所に響が立ち去る。

「瑞鶴って、響と仲良かったのね」

「ん……、あの子とは色々と共通点が、ね」

「共通点? あなたと響に?」そんなものがあるのかと言いたげな翔鶴。

「そ、それより、わたしたちも早くご飯食べよ! たくさん動いたからお腹ぺっこぺこだよ!」

「きゃっ! ちょっと瑞鶴、いきなり押さないでってば」

「いいからいいから!」

 姉を急かして給仕スペースに誘導する瑞鶴、その胸に押し隠した感情。
 当人を前にしては語れぬ共通点、その最たるもの。
 かつて姉を失った者たちが遭遇した悲劇と悪夢。


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