2:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 00:13:54.76 ID:dTNveX7eo
女性が一人、本棚の前で俯いていた。
その手には山吹色の表紙をした、少し厚い本が開かれている。
3:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 00:16:17.70 ID:dTNveX7eo
彼女の名前は古谷向日葵。
背中の中心よりも少し下まで伸びた群青の髪、
4:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 00:17:21.60 ID:dTNveX7eo
勉強は出来ないわけではなく、むしろ出来る方である。
このままいけば大学をそこそこ優秀な成績で卒業出来るそうなのだが、将来の夢が固まらない。
5:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 00:18:27.52 ID:dTNveX7eo
初めて来る場所の筈だった。
しかしなぜか心地良く、自分を受け入れてくれているようで。
不思議と不気味だとも思わず、向日葵は中に入った。
6:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 00:19:18.22 ID:dTNveX7eo
「誰か、いませんか」
控えめに声を上げてみたが、誰からも返事はなかった。
7:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 00:20:05.11 ID:dTNveX7eo
両脇の本棚に並ぶ背表紙は、特におかしなものは見当たらない。
奇抜でもなく、まっさらでもなく。
8:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 00:20:43.49 ID:dTNveX7eo
それを繰り返しているうちに、最後の本棚まで辿り着いてしまった。
ここにも、特に変わったものはなさそうだ──
9:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 00:21:21.55 ID:dTNveX7eo
表紙を開いてみたが、中身はおろか、目次や後書きらしきものもない。
念のため、一枚ずつ頁を捲ってみたが、小さな文字すらも見当たらない。
10:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 00:22:03.66 ID:dTNveX7eo
頁をパラパラと捲っていると、何か本らしくない匂いを嗅ぎつけ、頁を捲る指が止まる。
(・・・?)
11:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 00:22:48.03 ID:dTNveX7eo
ー
ーー
ーーー
「ふえぇ〜さっびぃ・・・ったく、ここ近所に何も無さ過ぎだよ」
12:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 00:24:09.92 ID:dTNveX7eo
「とりあえずお腹空いたしなんか食べるかぁ・・・わわっ!?」
足元に置いたビニール袋に足を引っ掛け持ち上げようとしたが、
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