64:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 01:07:33.47 ID:dTNveX7eo
刃物で切られたような、傷。
それも一筋だけではなく、四つもの傷が、向日葵の背中に刻まれていた。
65:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 01:08:35.50 ID:dTNveX7eo
「私はただ、普通に暮らしていただけなんです・・・
その人達には何もしていないのに・・・
胸が・・・大きいっていうだけで・・・」
66:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 01:09:13.28 ID:dTNveX7eo
「向日葵・・・ごめん。ごめんね」
「っく・・・ぐす・・・」
「ちょっとは考えろって話だよね、本当に馬鹿だよ、私は・・・」
67:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 01:10:38.20 ID:dTNveX7eo
「大声を出して、すぐに警察が来てくれたので・・・
その、そういう事はされなかったんですが・・・
それ以来、男の人が、怖くて・・・」
「・・・それも、将来を決められない理由の一つ、なんだね」
68:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 01:11:29.62 ID:dTNveX7eo
向日葵の頭を撫でながら、そんな事を考えていると。
「・・・男の人がみんな、櫻子さんみたいな人だったらいいのにな・・・」
69:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 01:12:03.19 ID:dTNveX7eo
─
──
───
あの日以来。
70:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 01:12:48.58 ID:dTNveX7eo
「そういや、向日葵が返しに来た変な本。
確か、一番奥の棚だったかな」
何も書かれていない頁に、一瞬だけ文字が見えたような気がした事を思い出した。
71:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 01:14:49.78 ID:dTNveX7eo
二つの花が舞い踊る
そこにはいつも可愛い二人
72:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 01:15:51.57 ID:dTNveX7eo
向日葵も言っていた。何も書かれていなかったと。
櫻子も見たはずだった。何も書かれていなかったと。
73:名無しNIPPER[saga]
2015/08/12(水) 01:16:20.40 ID:dTNveX7eo
「ん・・・んん・・・ぅ」
櫻子が目を覚ますと、夕暮れが今にも地平線の向こうに沈みそうになっていた。
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