過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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171:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/09/13(日) 23:06:46.56 ID:7YfIX9WR0
「そう、ね……」

痛いところを突かれたのは雪ノ下も同じようだった。

だが、彼女に頼れる人間はいない。

俺は、現状ですでに手一杯。由比ヶ浜がいれば違っただろうが……。

「だから、手伝うよ」

「部外者にやってもらうのは……」

「有志団体の取りまとめだけ。有志側の代表ってことで」

その提案は魅力的だった。だが、いかんせんその相手が葉山隼人だ。

俺を苦しめる為だけに、ポンコツ相模を委員長にした男。

だが、今回だけは信頼にたるかもしれない。

こいつはどうやら雪ノ下に好意を抱いているらしく、彼女の妨害をするような風には思えない

からだ。

「そういうことなら、やってもらえると助かるな」

いつの間にか近くに来ていた城廻が口をはさんだ。

「どうかな?」

葉山に言われて、雪ノ下はあごに手を当ててしばし黙考する。

「……」

「雪ノ下さん、誰かを頼ることも大切なことだよ?」

彼女は諭すように言った。

葉山の言うことも城廻の言うことも間違っていない。

最高だ、感動ものだ、素晴らしい仲間意識だ。

人に助けられることになれている奴はいい。

躊躇なく人を頼ることができる。

だが、それを盲信的に称賛する気にはならない。

だってそうだろ。

みんなでやることが素晴らしいなら、じゃぁ、一人でやることは悪いことなのか?

どうして、今まで他人の分まで一人でやってきた奴が責められなきゃならない。

どうして、雪ノ下雪乃が責められなければならない?

そのことが、俺は許せない。

「頼るのは大切だが、頼る気しかない奴がいる。頼るんならまだいい。単純に使ってるだけの

奴がいる」

城廻が俺を睨み、腰元に手を当てる。

「……やめろ。あんたじゃ俺に勝てないことはわかってるはずだ。それに、もうそういうのは

やめだ」

戦う意思がないことを示す為、俺は両手をぶらぶらと振ってみせた。

「……確かに、雑務などにもしわ寄せが行っているようですし、一度振り分けを考え直します。

それと、葉山君の申し出、受けさせてもらいます。……ごめんなさい」

その謝罪は、誰に向けられたものだったろうか。

彼女が謝る必要など、無いのに……。

「……」

会議室の中を見回した俺は、再び嘆息せざるを得なかった。

出席者はさらに減っている。比較するまでもない。

雪ノ下を除けば、残りは執行部と数人しか見当たらない。



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