過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)
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くすっち天頂@公認ぼっち党員
◆A9VvCAXQOewN
[saga]
2015/09/29(火) 13:02:49.28 ID:AuVSUEXb0
「それこそ何の事だかわからないわ」
「だろ?なら一緒だ。俺が思ってるのもそういうことだよ」
「またまたご謙遜を」
少し雪ノ下に似た、しかしどこまでも不快な声が聞こえた。
「……姉さん、早く帰ったら?」
「いやー、比企谷君はいいねー。そのヒールっぷり、最高だよー」
「お前に言われたかねぇんだよ、悪党野郎」
「そういうところも好きだなー。雪乃ちゃんにはもったいないかも」
「もったいないのはあなたと話す時間だと思うわ。いいから帰りなさい」
「冷たいなー。一緒にバンドやった仲でしょ?」
「よく言うわ。勝手に好き勝手やってくれて、誰が合わせたと思っているの?」
「盛り上がってたからいいじゃん、ねぇ比企谷君」
「ま、確かに盛り上がってはいたな」
「……見てたの?」
「後ろの方でな。いい歌だったよ。お前らが歌うと妙にリアリティがあって怖かったけど」
「Alive a Lifeね。私も好きだわ」
「雪乃ちゃん小さい頃からよく聞いてたもんねー」
「いいからあなたはもう帰ったら?」
「はいはい、帰りますよ。今日は楽しかったよ。お母さんに話したら、どうなるかな、ね?」
その試すような口ぶりに怒りがわきあがってくる。
だが、雪ノ下の表情は揺るがない。
「好きにするといいわ。私はもう、あなた達に利用されるだけの存在じゃない。運命があなた
達の手の中にあるなら、私が奪い返す」
「……本当に変わったよ、雪乃ちゃん。でも、最後に笑うのは私よ」
カードデッキをかざしてそう言い、彼女は去っていった。
……本当に強いよ、お前は。
「おーいみんな、そろそろホームルームの時間だよ。教室に戻って」
陽乃と入れ替わるようにして火野先生が走ってきた。
俺達は軽く挨拶をして歩きだす。
「比企谷君、ちょっといいかな……」
呼びとめるその声は彼らしくもなく重苦しい。
振り返ると、彼は少し困ったような笑みを浮かべている。
「なんて言えばいいかな……。スローガン決めの時も相模さんの件も、君の力がなければ文化
祭は確実に破綻してた。君の活躍は、雪ノ下さんと並んで一番だと思う」
そこで言葉を切る。きっとその言葉に嘘は無いだろう。
だが、それはこれから言う言葉の前置きでもあるはずだった。
「でもね、素直に称賛する気にはなれないんだ」
火野先生はじっと俺の瞳を覗き込んでくる。
「比企谷君。君のやり方はすごいと思う、俺にはとても思いつかない。……だけど、いつも君
が、君だけが傷ついてる」
心の先まで見つめるようなそんな視線からは、陽乃や平塚のような気味の悪さや威圧感は無い
というのに、決してそらすことはできなかった。
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