33:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/15(土) 20:25:35.08 ID:9opVagSh0
その思いの差が、鯉と人間との種族の違い以上に、私達とヒサとの間に大きな壁となって立ち塞がっているような気がした。
会いたい人に会えないのは、寂しいもんな――–。
と、私は何故か成香の横顔を見た。
成香「ヒサさん、滝昇れるといいですね…」
成香の言葉に、
揺杏「あぁ…」
と私は首肯いた。
――遠くで、野鳥の啼き声が、山々の樹木の間隙を縫うようにして木霊した。
私は、ノスリの声だろかと思い、空を仰ぎ見た。
凪いだ空には、春の雲がゆったりと、時が止ったように漂泊していただけだった。
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