過去ログ - 【艦これ】影の薄い思いやり
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1: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:51:39.69 ID:oqOK19Xn0
一部が独自設定

戦争が終わります

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2: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:52:15.41 ID:oqOK19Xn0
この鎮守府の提督は、艦娘たちに嫌われている、避けられている。

司令官でありながら背丈は160p程度しかなく、提督よりも背の高い艦娘も多い。

全体的に小柄で印象がとにかく『頼りない』。
以下略



3:名無しNIPPER
2015/08/17(月) 13:52:44.29 ID:oqOK19Xn0
常に、何を考えているのか、それとも何も考えていないのかは艦娘には分からないが、

難しい顔をして眉間にしわを寄せ、

廊下ですれ違う時も、後ろで手を組み俯き、低い背丈をさらに低くして歩いている。
以下略



4: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:53:17.89 ID:oqOK19Xn0
執務の方は、決して無能ではないが有能でもないといった程度であり、

うまくいくときもあれば、失敗するときもある。

何度か大成功を収めたことはあったが、それほど大きな失敗を起こしていないというのが、
以下略



5: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:53:54.32 ID:oqOK19Xn0
稀にこの提督と仲良くなろうと気を起こす艦娘もいるのだが、

提督の無感動な態度に1か月もすれば飽きて、

再び、それまでの『上司・部下』のみの関係に戻ってしまうのだ。
以下略



6: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:54:35.63 ID:oqOK19Xn0
*****

「もう、ほんっとイライラしてくるわ! あのクズ提督! 

部下の活躍に対して何の感情もないなんて!」
以下略



7: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:55:08.22 ID:oqOK19Xn0
「まぁまぁ、落ち着いて。提督がああなのは最初からじゃない」

霞をなだめるのは、荒潮という少女。一応、霞の姉にあたるが、

艦娘という存在にとって姉妹という関係は単なるラベルにすぎない。
以下略



8: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:55:39.89 ID:oqOK19Xn0
「そうね、今でもクズの言った最初の台詞を思い浮かべるとイライラしてくるわ、

『私は君たちを信頼したい、だから君たちは、私の信頼を得られるように、任務を遂行してほしい』

ってね、笑えるわ! 信頼してほしいなら、そっちが先に行動しなさいよ!」
以下略



9:名無しNIPPER[sage]
2015/08/17(月) 13:56:00.06 ID:vVR7Vzp7o
朝潮の人か
久しぶりだな期待


10: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:56:01.87 ID:oqOK19Xn0
霞に注意をしようと、荒潮は横を向く。荒潮の視界の端に映ったのは、

いつものように体を小さくして、後ろから歩いてくる提督の姿だった。

「て、提督! お疲れ様です!」
以下略



11: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:56:52.18 ID:oqOK19Xn0
*****

「――ていうことがあったの。もう、背筋がぞっとしたわ〜」

食事の席で姉妹そろって雑談を楽しむ、荒潮と霞を含む、姉妹一同。
以下略



12: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:57:23.80 ID:oqOK19Xn0
その中にただ一人、提督に敬意を払う艦娘が、声を上げた。

「私は司令官のこと、好きですよ」

食堂は静まりかえり、食堂の誰しもがその発言主を、目を丸くして見ていた。
以下略



13: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:57:50.26 ID:oqOK19Xn0
「朝潮は、提督を尊敬するとかじゃなくて、その、『好き』って言ってるの?」

「はい。私は司令官のことを尊敬もしていますし、好きです」

「はぁ、意味わかんない」
以下略



14: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:58:17.05 ID:oqOK19Xn0
*****

「朝潮ちゃんの言っていること、ちょっとわかるんだよね」

「ええっ! 北上さんももしかして、提督のことを……」
以下略



15: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:58:50.78 ID:oqOK19Xn0
唯一の男性であっても、提督に好意を抱く者などいない。

それが、この鎮守府の艦娘たちの暗黙知だった。

それだけに先の朝潮の発言には全員が耳を疑い、
以下略



16: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:59:25.88 ID:oqOK19Xn0
*****

淡々と時は過ぎ、怪我人は毎日のように出る中にも死者は一人も出ず、

戦場としては平和かもしれない生活が続いていた。
以下略



17: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:00:19.18 ID:oqOK19Xn0
戦争は激しさを増すが、我が国の有利で敵は押され、

勝利は確定となった。

そして、戦争は終わった。数年に渡る戦争が、あっけもなく終わった。
以下略



18: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:01:47.29 ID:oqOK19Xn0
提督は最後の任務として事務的な仕事を済ませ、鎮守府を去る。

この鎮守府のその後はまだ未定だ。

そして、鎮守府の入り口には、一人分の影。
以下略



19: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:02:15.44 ID:oqOK19Xn0
艦娘の社会での戸籍を決める際に、朝潮は自ら、提督に願い出た。

自分を、提督の養子にしてほしいと。

これにはさすがの提督も目を丸め、戸惑った。
以下略



20: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:02:44.63 ID:oqOK19Xn0
二人は鎮守府の入り口で、鎮守府に向かって敬礼をする。

戦下で共に戦い、共に生きてきたともいえる鎮守府への、最低限の礼儀だ。

長い敬礼を終え、二人は本部の寄こした車に乗った。
以下略



21: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:03:14.87 ID:oqOK19Xn0
いつか、艦娘たちがこの提督に敬意を抱く日はくるだろうか。

人に拘わるとは、少なからずその人の人生に干渉することである。

虹の中の人には、その虹が見えていないように、
以下略



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