過去ログ - 【ゆるゆり】向日葵「……子守唄を歌ってくれませんか。赤座さん」
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12:名無しNIPPER[saga]
2015/08/17(月) 17:31:05.88 ID:xePnKZjYo
向日葵ちゃんは笑ってみせたけど、そこから受ける印象は健気さで。

あかり「足、痺れなかった?」

向日葵「へ、平気ですわ」

あかり「つ、強がらなくてもいいのに……」

相当に頑張ってくれたのは、明白だった。

あかり「……ちょっと外の空気でも吸おっか」

向日葵「どうしてです?」

あかり「なんとなくかな、夏の夜の空気って気持ちいいかなって」

向日葵「外に出るのは危ないんじゃ……」

あかり「窓を開けるだけだよぉ。いいかな?」

向日葵「分かりましたわ。じゃあ……」

あかり「い、いや、座ってていいよ! 寧ろ横になってた方が」

向日葵「……お言葉に甘えさせていただきますわ」

立ち上がろうとする向日葵ちゃんの動きが止まって、一先ず安堵した。
向日葵ちゃんが横たわるのを見届けて、窓の方へ向かった。

ロックを解除して、部屋と外との境界を取っ払うと、澄んだ空気が循環した。
肌に触れる風には冷たさがなく、どこか柔らかくて、入ってくる匂いには季節の風情があった。
もう丑三つ時って言うのかな。静かなもので、時折運ばれて来る、弱弱しい風鈴の音が儚かった。

あかり「今日は晴れてたから、お月様が綺麗だね」

向日葵「今日と言っても、日付変わってますけどね。揚げ足を取るわけではないんですけれど」

あかり「わかってるよ」

向日葵ちゃんの穏やかな笑みを見れば、意図はちゃんと伝わっていた。

あかり「……本当に大丈夫?」

向日葵「少し、疲れましたわね。逆に言えばそれぐらいですわ」

あかりが見ていない内に取り出したのか、向日葵ちゃんは手に持った団扇を、
スローモーションにも見える動作で振り、寝静まった夜を眺めている。
空いた手で、シャツの襟元を正していたりもしていたけど、申し訳と言った程度で、眼はぼんやりとしている。
全ての動作がなんだかのんびりとしていて、活発なのは呼吸ぐらいだった。

向日葵ちゃんは仰向けになった胸を膨らませた後、ふぅと息を吐いた。
放出した吐息は、夜風がさらって、空に溶けていきそうだなぁと錯覚したとき、あかりもぼんやりしているなぁと気がついた。
リラックスするのはいいけど、その前に言っておくことがあるのに。


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