過去ログ - 【ゆるゆり】向日葵「……子守唄を歌ってくれませんか。赤座さん」
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8:名無しNIPPER[saga]
2015/08/17(月) 17:24:24.95 ID:xePnKZjYo
あかり「……向日葵ちゃん、指切りしよっか」

向日葵「……指切り?」

あかり「うん。区切りをつけた方がいいかなって」

向日葵「区切り、ですか?」

あかり「そろそろ始めないと、もっと遅くなっちゃうよ。折角待ってくれたのに。
だからね、あかりのことを信じてくれるって約束をしてくれるなら、指切りしようよ」

赤座さんは右手を握るようにしつつ、小指だけを突き出して、胸の前あたりに持ってきた。
同様に、私も同じ形を作って、赤座さんの指と絡ませようと近づけたけれど、緊張してしまって中々接触するまではいかない。

あかり「……別にはりせんぼんなんて飲ませないし、軽いおまじないみたいなものだよ」

躊躇する私を見て、赤座さんが表情を優しくした。

あかり「そうなってくれたら嬉しいなって、それぐらい! ……子供っぽいしね」

照れ笑いをする赤座さんを見て、私の緊張は溶けて行った。

向日葵「でも、子供って案外こういう所に執着を見せるものかもしれませんわね」

……そして多分、私も。
赤座さんの小指に、自分の小指を絡めると、強く糸が結ばれた気がした。

向日葵「さあ、始めましょうか」

あかり「うん!」


向日葵「和食で大丈夫でしょうか?」

あかり「大丈夫だよ!」

向日葵「ええっと、それで。客人に包丁を使わせるのもと思いまして。だけど、それも過保護すぎて失礼かなと」

あかり「それで悩んでたの?」

向日葵「……そうですわね」

あかり「うん、わかったよぉ」

向日葵「じゃあ、野菜の皮むきとか、水切りとか、あとは味噌汁の味の調整とかお願いできます?」

あかり「うん! ご教示お願いします!」

向日葵「大仰ですわ」

赤座さんがからかい混じりなのか、本気なのかが区別がつかず、苦笑してしまう。
さて、やっと整理がついたので、作業を始めることにした。

あかり「向日葵ちゃんって本当に優しいよね」

淡々とピーラーを扱いながら、赤座さんはそう言った。

向日葵「そんなことありませんわ」

あかり「気疲れとかしないの?」

向日葵「……自然とやっていることですから」

あなたが言いますのと問いかけようとしたけれど、この人の場合は本当に自然体だから、聞く意味が無さそうだった。
とは言っても、こちらもそんなに疲れるという意識もなかった。

あかり「そっかぁ」

それからは会話も無く、黙々と料理を続けて行った。
さっきの通り、焦る意識もなく、マイペースで続けていったけれど、滞りなく進んで、順調に工程が済んでいく。


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