247: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/12/16(水) 22:44:54.80 ID:EvN9nOdb0
手早く身支度を整えて、部室をいつもより少しだけ早めに出る。まだ赤い夕陽の残照が残る廊下で、由比ヶ浜がこちらに向かってくるりと回った。
「ね、ヒッキー。これありがとね。家で開けた方が良い、よね?」
手元を見れば、先ほど俺が手渡した包みを未だに大事そうに握っているのがわかった。
「そうしてくれ。今開けられても、な」
「うん、だねぇ。楽しみだなー何かなー」
「……あんま期待すんなよ」
「あはは、でも期待しちゃうから」
不意にがちゃりと施錠の音が聞こえた。そちらを見れば雪ノ下が鍵を手にしたまま、何かを迷うようにもじもじと身体を揺らしている。
「ゆきのん? どしたの?」
「えっと、その……」
ちらちらとこちらを窺うその姿は、どこか小動物のようにも見える。
ここまで歯切れが悪いのも珍しいなと思っていると、雪ノ下は意を決したようにこちらに正対して口を開いた。
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