過去ログ - 八幡「想いを返す日」
1- 20
248: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/12/16(水) 22:49:15.22 ID:EvN9nOdb0

「ひ、比企谷くん」

「……なに?どうした」

「私も……その」

「あん?」

「あ、ありがとう」

雪ノ下は緩めに巻いたマフラーを意味も無く口元まであげて、ふいっと窓の外の夕陽を望む。彼女の顔が紅く見えたのは、きっと夕陽のせいだけではない。俺の顔だって人のこと言えないんだけど。

「お礼ならさっきも聞いたって」

「……こういうことは何度言ってもいいと思うけれど。ダメかしら?」

「ただのお返しだから気にすんなよ。でも、あれだ……」

「?」

「……どういたしまして」

「……ええ。ふふっ」

今日3月14日に答えを出すことは叶わず、明日へと持ち越しにはなった。
明日やろうは馬鹿野郎。そんな言葉を誰もが1回くらいは耳にしたことがあるはずだ。
基本的に、今すべきことを明日に持ち越すのは愚策で、俺たちはその愚かしい行為を繰り返していたことになる。

けれど、明日はほんの少し違う。

大きな歩幅でも、小さな歩幅でも、一歩は一歩。進む距離が違うだけで、前に進むことに変わりはない。だから、やがて辿りつけるんだと思う。
行き着く先さえまちがえなければいい。
そうすれば、今までの一歩は決して無駄にはならないのだから。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
272Res/171.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice