過去ログ - モバP「事務所に媚薬が蔓延してるだって?」
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13: ◆Freege5emM[saga]
2015/08/24(月) 02:29:41.48 ID:KeG1z5Blo

●【佐久間まゆの場合・その二】



まゆが目を覚ますと、見覚えのない坊主頭のおじさんの顔がこちらを見ていました。

「まゆちゃんと、ここで会うのは初めてだね」

初めてと言われても、まゆはこの人の記憶がありません。

「ええっ……まゆちゃんとこのPさんとは、懇意にしてもらってるんだけど」



そう言ったおじさんが、手を伸ばしてまゆの肌に触れて――

「さっ、触らないでくださいっ! そんなところ……! い、いや、なに、これはっ」

――そこで、まゆは初めて、自分が衣服をリボンの一筋さえ身につけていないこと、
  手足を拘束されて自由に動かせないことに気づきました。






「た、助けて! 誰か助けてくださいっ!」

「え、ちょ、なにこの反応……拘束具とか見た時から、やけに物々しいと思ってたけど……
 もしかして、お宅らのPさんと話、通ってないなんてことは……ちょ、ちょっと聞いてる?」

あらん限りの声で、まゆは助けを求め叫びました。
こんな危機はまゆの想定に入っておりません。
危機さえ期待できてしまうのはプロデューサーさん関係だけです。

まゆが死に物狂いで騒いでいると、
誰かの手――目前でオロオロしてるおじさんとは違う、ほかの――が、まゆの喉を掴んで、
力づくで声を止められました。



「まゆちゃん。明日は……ラジオ、だっけ? とにかく、お喋りの仕事があるんだから、
 声を嗄らしたらダメじゃない。そんなに勢い良くシャウトしてたら、炎症ひどくなって、
 あたしのクスリでもすぐには治せなくなっちゃう」

まゆの頭のすぐ後ろから、女の人の声が聞こえてきます。

「ま、個人的には、まゆちゃんのハスキーボイス、一度聞いてみたい気もするかな……♪」

その声の主の顔と、名前は、こんな非常事態でもすぐに思い出せました。
喉を押さえつける力が緩んだのを期に、まゆはその人の名前を声帯から絞り出します。



「志希、さん……?」

「びーんご! まゆちゃん、見た目より冷静だったんだね。えらいえらい!」

喉を押さえつけていた手が、まゆの頭を無遠慮に撫で回しました。

もう顔を見なくても分かります。
今まゆの背後にいるのは、まゆの同僚アイドル・一ノ瀬志希さんでした。



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