9:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 15:08:59.18 ID:znDtRmkj0
「どうやら仮説の通り、帰還には失敗したようだな」
エフ博士は装置の前でひとりごちた。
一ヶ月はとうに過ぎたが、未だに旅立った男は帰ってこない。
しかし、それはある意味では予想通りでもあった。
エフ博士の発明した装置は設定した通りの平行世界を作り出し、そこに移動する装置だ。
その平行世界から元の世界に戻る機能もついているが、エフ博士はその時に装置が「元の世界にそっくりの平行世界」を作り出し、そこに移動させるようになっているのではないかという懸念を持って今回の実験を行ったのだった。
結果はその仮説を裏付けるものだった。
男はこの世界には未だに帰ってこない。
恐らく、別の世界のエフ博士の研究所に帰還して今頃自分のした体験について語っているのだろう。
エフ博士は思わずため息を吐いた。
博士もすでに何度かこの装置を使っては『元の世界』へと帰ってきている。
つまりこの世界は……。
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