11:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 18:36:59.87 ID:FcvUdwOmO
ケーキの入っていた紙袋は私の指をすり抜け、そのままフローリングの床へと、落ちていった。
ぐしゃっ、と音を立てて。
きっと中はぐちゃぐちゃになっちゃっているのだろう。まず頭に入ってきた情報といったらそんなどうでもいいことだった。
次第に頬に痛みを感じるようになって、そこでやっと気付いた。理解できた。
──私、殴られたんだ。
左の頬がじんじんと痛む。耳の内側はさっきからキーンという音が鳴り続けている。
なんで、私、殴られたの?
なんで、絵里ちゃんは、私を殴ったの?
そんなことを考えている暇もなく、
ばちんっ──。
今度は右の頬に鋭い痛みが走った。
痛い……、いたい、恐い、こわい。
こわい、こわい、こわい、こわい、たすけ、て……
がんっ──。
ことり「ぁぎゅっ!? や、やめっ……やめてっ、」
鈍い痛みと、ガンと音がしたと思ったら、目の前の景色はまったく別なものに変わっていた。
髪を掴まれて、力任せに床に叩き付けられた。
顔の近くに転がっていたぐしゃぐしゃになった紙包み。チョコレートの香りがした。
同じように転がっている私を見下ろす絵里ちゃん。逆光でどんな表情をしていたのかはわからなかった。
見えたのは、足。右足。
振り抜かれた、瞬間、襲ってくる、痛み。
どすっ──。
ことり「ぁぎゅっ!! がっ、ぁ、はっ、ごほっ、ごほっ!!」
お腹を蹴られた。
何度も、何度も、
絵里ちゃんの足が私のお腹を蹴りつける。
数えるのも諦めてしまうくらい。
痛いって泣いても、やめてって叫んでも、絵里ちゃんは全然聞いてくれなかった。聞こえてなかったのかもしれない。
しばらくして蹴るのに厭きたのか、また髪を掴まれ、頬を叩かれた。
これも何回叩かれたのか覚えていない。
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