13: ◆.s5ziYqd8k[saga]
2015/08/27(木) 23:32:39.77 ID:hxdoE4+A0
目の前には緩みきった少女の顔。少し涎の垂れた唇が、夢の内容を教えてくれるようだ。
「……おはよう。結局、手は出してくれなかったな」
器用なもので、花の咲くような笑顔のままで不満げな声なんてよく出せる。
「次こそは頼みたいものだな。じゃあ私は行くよ、そろそろ雑用を始める時間だ」
まったく、人の頭の上を跨ぐとは。
最後まで見せつける様に下着なんて付けて、ついには苦笑だけが漏れてしまう。
「む、何を笑っているんだ。大変なんだぞ、言われた事には従わねばならないのだからな。よよよ」
嘆くような言葉も、わざとらしい泣き真似と相まって馬鹿馬鹿しいという他ない。
いくら騎士団が男の集まりと言っても、騎士団長の義娘に無茶をいう奴がいることはないだろう。
「ふむ……確かに、初めの頃に胸を揉まれた時、翌日からその騎士はいなくなっていたな。義父はどうも娘が可愛くて仕方ないらしい」
うむうむ、と頷くと、ひとしきり満足したのか手を振って扉の向こうへ消えていく。
おおかたそんなものだ。どう見てもこの部屋はアイツの趣味じゃない。誰かに用意して貰わなければ出来やしないはず。
脱ぎ散らかされた昨日の下着を一瞥し、わざとらしい少女趣味の部屋を後にするのだった。
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