過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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112:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/17(土) 03:17:30.75 ID:B/freJ4lO

さらに1分ほど歩いたところで、正面に高さ5メートルはありそうな鉄柵のゲートが姿を現した。横幅も優にバスが通れるぐらいはある。
柵は両端の石柱に固定された蝶番部分から中央へと、曲線を描いて天に伸びていた。

さらにその頂点には、投光器に照らされて、アーチ状になった金物細工の装飾文字が見える。

この敷地内の名称なのかと思って俺は目を凝らしたが、期待は失望に変わった。誰かが思い付きで並べた標語のようだった。


  VERTICALNESS BRINGS FREEDOM(垂直は自由をもたらす)


空気抵抗を計算外にした垂直の落下運動を、俺の国の言葉では「自由落下」と呼んだりする。

それが「FREEDOM」をもたらすとは初耳だが、最終的にそこへ行き着くなら、あるいは喜ぶべきことなのかもしれない。
もっともそこに至るまでには、さまざまな艱難辛苦を耐え忍ばなくてはならないのだろう……


俺の解釈はそれ以上先には進まず、実際俺はその標語のことをすぐに忘れた。
男たちは鉄柵の扉を開けると俺を力任せに押し出し、音も高く扉を閉ざして施錠してから引き上げていった。


遠ざかっていく獣人たちの背中。ヤギは振り向かない。ライオンも振り向かない。馬が一瞬だけ振り返ったが、足を止めるわけでもなく、すぐに前へ向き直った。



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