過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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113:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/17(土) 21:57:30.79 ID:Fo0b5EMEO


静寂。


ゲート上部を照らしていた一対の投光器が消えた。月明かりの中に樹木の濃い影が浮かび上がった。

どことも知れぬ山中に俺は一人取り残された。

時計を見れば午前1時40分。車は全くと言っていいほど通らない…… と思っていると、古めかしいピックアップトラックが車体をガタつかせながら走り去る。そして静寂が戻る。


歩くしかない……

俺を乗せてきたワンボックスカーの動きからして、門を出て右方向に進めばフリーウェイの入り口に着くと考えられる。

隣の郡まで連れ出されたわけでもなさそうだから、夜明けまでには市街地にたどり着けるだろう。
運が良ければ途中で流しのタクシーが通るかもしれない。


びしょ濡れになった体に夜の風が沁みた。

あの、総領事と称する道化は追っ手を差し向けるみたいなことを言っていた。

精神異常者のたわ言と片付けるのは簡単だ。実際、ほかでもない「俺」が目の前にいるのに、気付きもしていないふうだった。


しかし、あそこが精神病院ではないとしたら?
最初から俺をターゲットと知った上で、からかっていたのだったら?


考えても無駄だ。殺し屋が近づいているなら、こんなところで走ろうがわめこうが無意味だ。



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