過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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50:名無しNIPPER[saga]
2015/09/14(月) 23:32:23.80 ID:b+kqd3W/O

クレジットカードの銀行口座は妻がキャッシュカードを持っている。現地でクレジットカードを利用している限り、俺の生存は確かめられるだろう。
カードの利用が止まれば、そこで俺の運は尽きたことになる。


それから1時間半後、俺は旅行用バッグを肩にかけて玄関に立った。妻と娘が見送りに出た。


「じゃ、気を付けて」

「パパ行ってらっしゃい」

「うん。あ、そうだ。親父さん(義父)に頼まれてた新刊書が明日あたり届くから」

「高い本なの?」

「5000円。多分親父さんが払ってくれるよ」

「そう。行ってらっしゃい」


これ以上交わす言葉もないと思って、俺は妻の顔を見ずに軽くうなずき、玄関を出た。
(いい子にしてるんだよ)──そんなありきたり過ぎる娘への言葉はあえて飲み込んだ。

そして二人の視線を背中に感じながら、門扉まで続く敷石に足を踏み出した。





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