46:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/07(月) 00:49:57.96 ID:rVNZ4GiQo
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真夜中だった。
気づけば私は、真っ暗な部屋で眠っていた。
私の耳元で、声が聞こえる。
優しい気持ちに溢れた、心に沁みこむような女の子の声……
「向日葵……」
私の隣に寝て、泣きながら私の髪を撫でているその子。
ゆっくり目を開いて……声の主の顔を見た。
「さ……櫻子……」
「向日葵……!」
「あなた……だったんですのね、やっぱり……」
「やっぱり……?」
「真夜中に勝手に家に入ってきて……私の枕元でいつも泣いていた女の子……」
「顔は見れなかったけど……声だけはずっと聞こえてましたわよ……? いつも、いつも……」
「うぅっ、うん……///」
「あぁ……よかった。あなたはいつも……私の傍にいてくれたんですのね……」
泣いている櫻子の頬に手をあて、指で目に溜まった涙をぬぐってあげた。
大粒の涙はしずくとなって私の手をつたい……枕に落ちた。
「ここ……櫻子の部屋? 私……寝ちゃったんですのね」
「いいの。いいんだよ……寝てていいよ」
「そう……」
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