48:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/07(月) 00:51:53.35 ID:rVNZ4GiQo
「……入っちゃっていいんですの? 私まで」
「構わないでしょ、日曜だし。向日葵もここの生徒と見分けつかないよ」
翌日の日曜日。
デートしよっかと言われて、櫻子に連れられて来たその場所は……
櫻子が通っている、高校だった。
「向日葵は来るの初めてだよね。ここが私の高校……私のクラスは、この教室」
「…………」
櫻子は楽しげに校内を歩いた。閑散とした知らない学校を歩く私は、櫻子が何を見せようとしてくれているのかもわからなくて……ただただ知らない匂いのする校舎内を、櫻子についてまわっていた。
「ここが私の机。窓際だから、今の季節はすごく寒いんだよね」
「あら……私と同じじゃない。私も学校でこのあたりの席ですわ」
「えーっと、あるかな……」
櫻子は席に着くと、自分の机の中をごそごそと漁った。プリント類や置いていった教科書類などがぱらぱら出てきて、この子のちょっとだらしない部分を久しぶりに見れた気がして、何故だか私は嬉しかった。
「いったい何を探してるんですの……?」
「ちょっと待ってね、確か……あ、あった!」
様々なプリントが何枚も入ったクリアファイルから、櫻子は本のしおり程度の小さな紙を取りだした。
私を櫻子の前の席に座らせて、机の上に広げたその小さな紙をえへへへ、と笑いながら差し出す櫻子。
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