過去ログ - 真姫「かたわれアイスキャンディー」
1- 20
7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/09(水) 16:33:28.72 ID:SLBdxrKw0


 コップに残した方のアイスの傷口から汁が涎のように滴りはじめている。

 私もプラスチックに噛み跡をつけて氷の汁をしぼり出しながら、
 少し伸びた髪を指に絡ませていた。にこちゃんまだ来ない。

 握った指の力で小さく痛みが染みて、
 自分の髪の毛が中指付け根の辺りに数本引っかかっていた。
 指の間から手のひらへと掛かる髪の細い線は引っかき傷にも見えた。
 同じような色をしたあの子の瞳を思い出して、
 振り払おうと手を振ったのに、乾きたての汗か何かで離れてくれない。

 蜘蛛の巣が張り付いた時みたいだった。
 だとしたら、私は何にとらわれてるんだろう。
 太股に擦り付ける。
 はらりと落ちた髪の毛、手のひらよりも傷跡のように見えた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
162Res/100.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice