過去ログ - 「Close to …side.N」(オリジナルSS)
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/19(土) 22:01:25.10 ID:QCc0mebi0
1、

 やっと…やっとだよ…やっと…
ボクは1つのお願いが叶う瞬間を待ちわびて
大きい校門に背を預けてみる。

視線を下げてみると新しい学園指定鞄に書かれた
ボクの秋柴奈那(あきしばなな)という名前…
好きな人と同じ高校に入れた嬉しさを噛み締める。

ふと、見上げてみた…
そしたら…ピンクの花びらがキレイに舞っていて…つい見惚れちゃった。

ずっと…ずっと好きな人…つーちゃん…
1年間会えなかった寂しさをギュッと胸に詰め込んで…
頑張って…頑張って…

つーちゃんの後輩として同じ高校に通える

その事実が嬉しい。
入学して数日は…部活動の説明やいろいろな説明で
一緒に帰れなかったんだよね…。

特に陸上部の人や先生からの勧誘が酷かったなぁ…
中学生時代頑張ってたのもあるけど、
もうやらなくていいなら…したくないし…

そんないろんなことで会えない寂しさも重なって…

約束した「一緒に帰る」ことが今、叶おうとしていることが、
嬉しくて嬉しくてたまらない!

今日、朝約束した…一緒に帰るときは校門で待ち合わせて帰ること…

あ、上ばっかり向いていたらつーちゃんを見逃しちゃう。
そう思って視線を校門から出てくる人に向ける。

あれ?まだ来ないのかな?
1人の女性が通り過ぎた…って…あれ?

その奥に……あ!!

「つーちゃーん!!」

ボクはついにつーちゃんを見つけていつもの場所…右腕に飛びついた。

「隠れてて見えなかったよ〜」

右腕をギュッと抱きしめて甘えちゃう…
だって…ずっと我慢していたんだもん…いいよね♪

「なんだ、奈那か…」

つーちゃん…1つ年上の一橋綱吉(いちはしつなよし)先輩。
幼馴染でずっと一緒だったけど…1年は離ればなれになっちゃってたんだよね…。

う〜ん♪やっぱりつーちゃんの腕はいいなぁ〜♪
もうちょっと…スリスリしても…いいかな?…何て思ったとき

「恋人?」

ボクの後ろから声がした。
振り返ると…さっきつーちゃんを隠しちゃってた人がまだ居た。
もしかして、つーちゃんの知り合いなのかな?

「一緒に帰ってたの?」
ボクはつーちゃんに何となく聞いてみる。

「偶然だよ」

そっけなく答えるつーちゃん

「そう、さっき偶然ね」

女の人も何か言ってる。
偶然なんだ…じゃあ、気にしなくていいよね。

そう思って…

「じゃ、帰ろっか」
とつーちゃんに言って腕を引いて歩き出した。




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