過去ログ - 「Close to …side.Y」(オリジナルSS)
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28:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/19(土) 22:34:10.86 ID:t+SnPtR2o
「つーちゃーん!」

 校門へ差しかかると、いつだかのように陰から奈那が飛び出して、一橋くんにひっついた。

「ごきげんよう、秋柴さん」

「あっ、先輩……」

 私は一橋くんのすぐ傍にいたのに、本当に彼以外には目もくれないみたいだ。

「名乗ってなかったわね、箱崎八重よ」

「あれ? 箱崎の名前、知らなかったっけ」

 一橋くんは腕にひっついたままの奈那を見下ろした。

「……うん」

 彼女の不安気な目に、なんとなく嗜虐心が刺激されるのはなぜだろうか。
 今はベタベタまとわりついていい気になっているかもしれないけれど、一橋くんは貴方のことなんとも思ってないのに。
 平気で相合傘をしているのを見たときはショックだったけれど、
 考えてみればそれだけ「家族同然」にしか思ってないという証明だと気づいて、
 時々見かける彼女のまとわりつきも段々と腹も立たなくなってきた。


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