71:名無しNIPPER[saga]
2015/09/29(火) 15:44:56.09 ID:PfljLHzgo
@冤罪
部活も終わり、尭深さんと話していると、淡さんがこっそり近づいてきた。
いたずらっぽい笑みを浮かべた淡さんは、尭深さんのお尻をさわさわと撫でて、またこっそりと逃げていった。
羨ましいと心底思っていると、尭深さんが静かに泣いているのに気づいた。
ぎょっとしていると、「どうした?」と菫さんが声をかけてきた。
僕が、淡さんが――、と口に出す前に、尭深さんは震える声で、「お尻を……触られました……」と泣き崩れた。
まずいと思ったのか、犯人の淡さんと、目撃者の誠子さんが慌ててこちらに駆け寄ろうとしてくれたが、それよりも早く「お前というやつは……!」と般若の如き形相となった菫さんに、誰もいない準備室へと引っ張られていった。
「今度という今度は許さんからな」、誤解です冤罪です、「誤解も冤罪もあるか!」、違うんですって、「いいや、違わない」、じゃあ違ってたらどうするんです、「本当に冤罪なら私の尻でも胸でも好きなだけ触らせてやる。だがそうでなかったら相応の処罰は覚悟しておけよ」、などとやり取りをしていると、ドアが開いて尭深さんが顔を出した。
「もう大丈夫なのか?」と心配する菫さんに、尭深さんはいつもの調子で、「触ったの、かれじゃなかったみたい」と告げた。
続けて尭深さんの影から淡さんが顔を出し「ごめん、触ったの私。てへっ」と舌を覗かせた。
呆然とする菫さんに「じゃ、そういうことで」と、淡さんは尭深さんを引っ張っていった。
閉まるドアと残された僕と菫さん。
動かない菫さんに、冤罪だったらどうするんでしたっけ? と声をかけると、びくりと体を震わせた。
顔だけをどんどん紅潮させていくだけで、何も動かなかった菫さんだったが、とうとう「約束通り、好きに触ったら良いだろう!」と叫んだ。
僕が菫さんに一歩近づくと、頬をなお朱に染める。
そんな菫さんを見ながら、
尭深さんのお尻を触れるならともかく、どうして冤罪をかけられた挙句、そんな罰ゲームを受けなきゃいけないんです?
と言ったところ、強烈なビンタをくらった。
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