過去ログ - 赤木しげるがニセコイにくさびを打ち込むようです
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59: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2015/09/22(火) 21:16:16.83 ID:hLFU5SNV0
楽(ったく、なんで放課後寄り道するだけなのに、待ち合わせを空き教室なんかにするんだ? ……ま、鶫が怖えーから口には出さないけどな!) ガラッ

楽「お、千棘一人だけか」

千棘「あら、わるい?」

楽「べつに悪いわけじゃねぇけど」

千棘(きた……。ここで言わなければ)

 千棘が勇気をもって声を絞り出そうとしたとき、けたたましいベルの音が鳴り響いた。

楽「な、なんだ!?」

 楽が扉を開け、外を確認する。すると、楽を見つけた教師が駆け付けた。

教子「どうやら火災警報機が作動したらしい。すまないが、むこうの教室にいったん集まってくれないか」

楽「分かりました。行こう千棘」

千棘「うん……」

千棘(こんな時間に警報機……? まさか……)

 二人が空き教室を出て間もなく、教室の前に立つ人物を見て千棘はすべてを理解した。

万里花「あら、お二人とも。集合場所は校門前ではなくて?」

千棘「万里花……!」

万里花「抜け駆けはいけませんよ。せっかく約束をしたのですから、みんなで遊びましょう?」

楽「? ああ、もちろん」

千棘(はかられた……。おそらく、警報機を押したのは万里花……学校中を探す時間的余裕はないとみて、いぶりだす作戦にでたのね)

 忸怩たる思いで、こぶしを握り締めた。万里花は不敵にも笑みを浮かべている。

 このとき、千棘はようやく認識した。自らが進む勝ちへの道……その道にはまだ大きい壁が立ちはだかっていることを。



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