過去ログ - A Rabbit's Life (オリジナル百合)
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12: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/09/22(火) 17:35:22.27 ID:7xDrI19W0
スーパーマーケットのかごをぶら下げて、私はしばらく自分の選択に戸惑っていた。
仕事中に街に出かけることは珍しくない。
ただ、先ほど命のやりとりをしていた敵と買い物にくるなんてのは間違いなく誰もやったことがない。

「これ、飲みたい」

「トマトジュース?」

「うん」

しかも、初対面の人間に遠慮なく物を買わせるお嬢様となんて。

「お金がない。この後宿を探すんだ。さきほどのミルクは諦めてくれ」

「……」

無言でミルクを抜き取り、代わりにトマトジュースをかごに入れる。

「返す……」

とぼとぼと、食品コーナーに戻っていく。

『なあに、あの子の身なり……』

人の声が耳に入る。
体を見た。
なるほど、ぼろ布みたいになっている。

「おい」

「?」

「これで買い物を済ませて」

財布を放り投げる。
両手でつかんだのを確認して、
カートも前に滑らした。

「終わったら入口に集合」

手ごろなシャツとジーンズを買いに服飾コーナーへ回った。




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