過去ログ - 【SAO】アインクラッドでおっかなびっくり生きる 20 【安価】
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226: ◆GVCfHyzjmtRo[saga]
2015/10/20(火) 03:44:50.65 ID:vtikXOHKo


ファン・ケンペン「白狼はとても貴重で、最高級品として高値で取引されている毛皮を持ち帰れば《ウェルト》が大いに活気付くでしょう」

ファン・ケンペン「ですが僕はこの狼に命を救われました……捕らえて殺し、毛皮を剥ぐのは胸が痛みます」

ファン・ケンペン「僕は狩人です、ですが……僕は……一体どうすればいいのでしょうか……」

『毛皮を持ち帰るべきだ』と応えれば、高品質な《革細工》素材が入手できたりするのだろうか。

さて、なんと応えるべきかな、などと考えた時だった。

トモミ「飼うのはダメなんですか?」

命をどう扱うかと言うのは難しく今なお議論の尽きないテーマだ。

環境、風土、文化、慣習、宗教など様々な影響で我々は多様な価値観を持つ。

絶対的な正解というものはなく、ただ誰かにとっての正解と、合理非合理や効率非効率という正誤とは似て非なる尺度があるだけだ。

人によっては飼うという行為も自然ではない状態を強要する傲慢な行いであると考える事もあるだろう。

そういった考え方を否定する気も積極的に肯定するつもりもないが、

VR空間という異世界で位は深刻にならずに動物と触れ合うのも悪くないのではないだろうか。

少なくともトモミの問いは特に深く考えた訳では無いなんとなくの思いつきだ。

悩んでいる様に振舞うファン・ケンペン氏に対して素朴な質問が口を付いて出たに過ぎない。

そんな何気ない言葉に対し、ケンペン氏は再び味わい深い反応を見せた。

想定されていたプレイヤーの反応と違ったのかもしれないが、想定と言う枠から出ない限り学習は頭打ちになる。

ファン・ケンペン「……え、ええっと……売ればお金はみんなで分けたり《ウェルト》の為に使ったり出来るので……」

トモミ「……みんなで飼ってみるとか……?」

ファン・ケンペン「…………飼う、ですか」


結論から言えば、《ウェルト》に送り届けた後、ファン・ケンペン氏は狩人を辞めた。

ケンペン氏自身が使用していた重槍を報酬として渡してきたのは決意の現われ、と言う演出だったのか、

それともトモミの何気ない問いの影響なのかは解らない。

『一体どうすればいいのか』と言うケンペン氏の問いに対してどう返したらどうなるかというのは、

他のプレイヤー達からの報告が集まるのを待つしか無さそうだ。


あの白狼が今後どうなるのかが気になる様子の2人を連れて、

クエスト『オッケル革装備店の最も忙しい1日』を受けるべく革装備店へと向かう事にした。



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